テレワークの導入方法【2020】 ~メリット・デメリットから解決方法~

緊急事態宣言、コロナウイルスの影響により、半ば強制的なテレワークが進みつつある日本ですが、、ピンチはチャンスという言葉の通り、これを機に一気にICT環境を整えて次世代企業への転身を図る!というようなチャレンジもありじゃないでしょうか?

こんにちは、物流ブログを書く予定でいたlogio5です。
ようやっと2つ目のコラムですが、まったく物流っけのないものになってます^^;
ずいぶん期間を空けたくせにこれかよ、と期待をしてくれている人もいないブログなので好き勝手やります。

さて、テレワーク先進国であったアメリカでは、1990年代からIBMが先頭を走って導入を進めてきました。しかしながら、そのIBMは2017年5月にテレワークの廃止を宣言します。
「出社するか、退社するか選べ」という強烈なメッセージが付せられていた事から、当時は大きな話題になりました。ちなみに米ヤフーもその数年前にテレワークを禁じています。

さて、テレワークがこれから浸透していこうとしている我らが「にっぽん」はどうなっていくのでしょうか。

最後の章にわたしの考える、ちょっと先の日本について書きました。

 

telework

1.テレワーク導入手順

総務省より「情報システム担当者のためのテレワーク導入手順書」というものが公開されています。ぶっちゃけこれを読んでおけばOKだとは思うのですが、なにせ75ページもあるので、とっても簡単にお伝えしていきます。

まずテレワークの定義ですが、「情報通信技術(ICT)の活用により場所にとらわれない柔軟な働き方」のことをさします。在宅勤務、リモートワーク、モバイルワークなんて言い方をしたりもします。固定費の削減や働き方改革への対応手段としても期待されています。

 

手順表

導入目的の明確化から8項目がずらっ~と並んでいます。

計画の策定とか研修等説明会の開催、なんて項目を見てしまうと「いつになったら導入できるの?」となってしまいますよね。

 

なのでいきなり簡単にまとめます!(゚∀゚)

  1. テレワークの実施環境整備(固定IPの取得、クライアントソフトの設定など)
  2. 人ではなく業務にフォーカスしてテレワークの可能な業務から切り分けて導入していく
  3. 最初は狭い範囲から始めていく

最初はこの3段階でいいと思います。

特に今は三蜜をさけるべく、質よりもリモートで仕事が出来る環境をとりあえず作ってしまうという事が望まれます。別に毎日テレワークにしなければいけないわけでもないので、とにかくやってみて、その後に業務プロセスの改善など試行錯誤していけばいいと思います。

夏野社長も、テレワーク導入後に出てきた問題(電気代等)は都度解決したと話していましたしね!

ちょっとポイントになるのが、育児・介護などでテレワークの恩恵を大きく受ける人から対象にしてみると、社員さんのモチベーションアップにも繋がるかもしれませんよ!ということです。
心の片隅にとどめておいてください。

2.テレワーク導入のメリット

続いてはテレワーク導入のメリットについてお伝えしていきます。

そんなの言われなくてもわかってるよ!という方も多いと思いますので、この章は流し読みして頂ければOKです。

通勤時間の短縮

Commuter rush

首都圏での電車通勤は身動きが取れないほど社内が混みあいますし、通勤するだけでも疲れてしまいますよね。

すぐに仕事にとりかかれるだけでなく、通勤時のストレスもなくなるので、その分仕事にエネルギーを注ぐことができます。

 

 

 

多様な人材の活用

gender

男女共同参画局「女性の年齢階級別労働力率の推移」より

 

この図は女性の就労M字カーブについて、内閣府男女共同参画局より引用したものです。

女性はある年齢から結婚や子育てに専念するため、または旦那さんの仕事の都合など、やむを得ない事情により退職する方が多くなります。企業にとっては、育ってくれた優秀な社員を失うのはとてつもない損失です。

テレワークに移行することによって労働時間の自由が得られ、優秀な女性社員を失うリスクを下げることにつながります。また、遠隔地の労働力の活用や通勤が難しい方の活用などにより、多様な人材の活用が可能になります。
今後は介護により通勤が難しくなる方の増加も懸念されることから、ぜひ導入を検討したいところですね。

 

業務プロセスの革新

導入方法のところでも少し触れた通り、テレワークに移行するためには業務プロセスを見直す必要があります。紙ベースの仕事や押印という作業が伴う仕事には、どうしても出社する必要がでてきてしまいます。
紙からデータに変えていくことで、テレワークに移行できる業務の幅は広がっていきますが、その過程は業務の簡略化やプロセスの革新といったところに大きな効果をもたらします。

もしも取引先を巻き込んで取り組めたら、、、

自社だけでなくバリューチェーン・サプライチェーン全体での最適化がすすみ、得意先や取引先と、より強固な信頼関係が築けることになるかも!

 

 

 

事業継続力の向上

災害の多い日本においては、遠隔地でも仕事ができることによって事業継続の可能性が高まります。1ヶ所のオフィスのみに業務機能と従業員が集中していないことは、地震などの大規模災害が発生したときのリスク分散につながります。

 

3.テレワーク導入のデメリット

デメリットを並べてみたら、メリットよりも項目が増えてしまった…。

 

情報漏洩リスク

security

テレワークを行う場合は、持ち運びが容易なノートPCやタブレット等の端末が利用されるため、インターネットからの攻撃を防御する対策がされた職場に比べて、情報資産がウィルス・ワーム等の感染、テレワーク端末や記録媒体の紛失・盗難、通信内容の盗聴の「脅威」にさらされやすいといえます。
テレワーク業務に関わる情報は会社にとって「情報資産」です。この「情報資産」を守るため、導入にあたっては、セキュリティの方針や行動指針に基づく安全な利用を図ることが求められます。

 

労働実態が把握しづらい

従業員に対する管理の目が行き届かなくなり、従業員の働きぶりを会社側が把握しにくくなってしまいます。上司の目が常に光っているわけではないので、人によってはついサボってしまいなかなか成果があがらない…なんてことも起こるかもしれません。

 

人材育成が難しくなる

テレワークでは、上司が直接指導する時間が減ってしまいます。また、業務はテレワークが可能なものに切り抜いた部分となるので、ゼネラリストの育成には相当な工夫が必要になります。指導する機会が減ることによって、会社に出社している社員との成長に差が出てしまうなんてことも起こりえます。

 

不公平感(出社側社員に不利

人材育成の面でも、テレワーク社員と出社社員の間で差が出ることや、人間関係の構築速度の違いがあります。この場合、テレワーク社員の方が不利になりますが、逆に出社社員には通勤時間が必要であったり、会社にいなければいけない業務を押し付けられる形になりやすく、ここでも不公平が生まれやすくなっています。
ここを上手くマネジメントしていかないと、同じ組織内でコンフリクトを引き起こしかねません。

コミュニケーションがとりづらい

すぐ隣にいる同僚や上司に話しかけることができないため、たわいもない会話や相談など簡単なコミュニケーションが取りづらくなります。コミュニケーションツールとして電話やメールしか用意していなかった場合、簡単な相談であればあるほど話しかけることのハードルが上がってしまいます。必然的にコミュニケーションの量は減ります。

 

チーム力が低下する

コミュニケーション不足や不公平感、育成面でのデメリットの結果です。
人材育成が行き届かなければ個人の能力が上がりにくくなり、コミュニケーション不足により連帯感が低下、さらに不公平感まで生まれてしまったらチームを維持することすら難しくなります。
書類仕事は出社しなければできませんし、承認プロセスについても多くの場合、出社しなければ進まないことが多いと思います。
電話対応についても、テレワークでも可能になるようなソフトウェアの導入をしなければ不公正が生まれてしまいます。

 

4.デメリット(課題)の解決方法

優先順位としては、「実行しやすいところからやっていく」のがいいと思います。

 

まずは、コミュニケーション・チーム力の低下に関する課題をちょっと解決

IBMがテレワークを禁止したのは、チームワークやコミュニケーションが欠如したことによるデメリットが大きかったためだと言われています。テレワーク社員は自身の業務は効率的に遂行することができますが、他のワーカーとのコラボレーションや協力関係のもとに遂行する仕事には課題が残ったようです。
現在は、チャットツールやファイル共有サービス、会議ツールなどの進化により、コミュニケーションやチームワークの課題をある程度は緩和することが可能だと思います。

チャットツール(SlackChatworkLINE WORKSTeamsWorkplaceなど)

チャットツールを利用することで、リモートワークにおいてはハードルが高くなってしまいがちな「ちょっとした相談」「ちょっとした雑談」といったことがやりやすくなります。
わざわざ電話をかけて相手の時間をとらない、たまに流れてくる雑談は気を紛らわせてくれたり、働いているのが自分一人ではないという感覚をもたらしてくれます。絵文字で簡単に気分を表せるのもいいですね!
ただし、あくまでもテキストなのでニュアンスが伝わりにくかったり、話していれば冗談と受け止めて貰えるようなことが、相手の気分を害してしまったりといったことも起こるかもしれません。

会議ツール(zoomSkypeGoogle HangoutsDiscordなど)

いま話題のzoomを含む会議ツールです。先日、社内で導入を進めようとしていたところでzoomの問題点を指摘する報道があり…なんてこともありました笑
普通にしょっちゅう使ってます^^
会議ルームに誘ってもらえばアカウントすら作る必要がなくて、とてもに簡単に使い始める事ができます。チャットでは少しだけ気がかりであった、ニュアンスが伝わりにくいことがあるといった心配もありません。
個人的にはミュートにして繋ぎっぱなしにしておいてもいいんじゃないかと思います。話しかけたい時にマイクを入れるみたいな感じで。
苦手な上司と繋ぎっぱなしだと、常に監視されているようで嫌な気分になりそうですが・・・。
そして事が終わったらそのままWEB飲み会に移行!なんてことも可能です。

おそらくテレワークを始めると、普段のたわいもない雑談が、いかに大切なコミュニケーションだったかを知ることになります。
これらのツールは、そのたわいもない雑談、ちょっとした相談をしやすくしてくれて、普段通りのコミュニケーションに近づけるためのツールとしてオススメです。

 

 

さて、こんな状況では後回しになるであろう、しかしテレワークを機能させようと思ったら避けては通れない

人事評価に関する課題の解決

優先順位としてはコミュニケーション系の次になります。
ただし、中長期的に考えた場合、必ず多くの企業が頭を悩ませざるを得なくなる課題となります。
この問題を解消していくことで、勤務実態の把握や、チームワークの向上、エンゲージメントの向上といった課題の解決につながります。


 

まずは日本の人事制度の現状から、テレワークの導入で何が問題となるのかをみていきます。

日本型雇用では、職能給という賃金体系が一般的です。これは、「業務遂行能力に対して給与を支払う」ことを目的としたものです。
業務遂行能力は、「知識、経験、技能」などによって高まると考えられてきたため、勤続年数が増えるほど会社にとって優良な社員になっていくという基本的な考えのもとに成り立っています。

評価の基準は勤続年数勤務態度(コンピテンシー)、能力成果などで構成されます。

この仕組みのままテレワークに移行してしまったら、どういった問題が起こるでしょうか?
テレワークでは勤務実態や勤務態度といったものの把握が難しくなります。そして、そもそも能力の評価基準なんてものはかなり曖昧です。
勤続年数が長いだけで能力が上がるならだれも苦労しない

つまり、テレワーク社員を評価する基準として勤続年数、勤務態度、能力が使えなくなり、「成果」だけで評価をするという問題が発生します。

職務給を導入している企業であればこの問題は抱えにくいですが、職能給とテレワークは全くマッチしない仕組みです。したがって、職能給を採用している企業は職務給役割等級制度といった評価の仕組みを作ることが必要になってきます。

 

職務給とは

仕事の内容に値付けされた賃金体系です。「仕事の価値が明確になっている」というイメージです。評価の入る余地は小さく、勤続年数も関係ありません。担当する仕事の内容によって給与が増減します。転職しても給与が下がりにくいと言われる国では、この制度が浸透していることが理由としてあげられます。
転職の機会が増加して企業間の人材流動性を高めますが、部署をまたいだ異動が難しくなるため、内部でのゼネラリストの育成は難しくなります。

導入するには、職務分析や職務評価を通して、仕事そのものに値段をつける作業が必要になります。しかしながら、テクノロジーの進化が目覚ましい現代においては、職務の手順や必要な経験・知識などが簡単にアップデートされてしまいます。職務評価が甘いと、仕事に対する適切な給与を担保できなくなって不公平感を生むため、職務の再評価を行うことが求められますが、この時代においては運用の手間がとてつもないことになりそうです。
また、コンピテンシーの観点やゼネラリスト育成のための余地を残しておきたい場合、工夫が必要になります。

 

役割等級制度とは

成果をあげるための「役割」にフォーカスした評価制度です。仕事そのものではなく、仕事を通して果たすべき役割に注目するというものです。
役割を明文化することで、部長職に求められる役割や課長職に求められる役割といったものが明確になります。「昇格したから部長になった」ではなく、「〇〇な役割を果たすために部長に昇格させた」というメッセージがとても伝わりやすくなります。

期首に会社の役割等級基準に沿った目標を自身で定め、期末にその成果して処遇を決めるといった自律性を確保することで、エンゲージメントを高めることも可能です。
こちらも、経営環境によって求められる役割が変化することはありますが、職務給の再評価ほど煩雑ではないかなと思います。

ちなみに米ヤフーでは、勤務実態の管理が上手くいかず、就業時間中に副業や起業してしまう人が沢山でてきてしまったためにテレワークを禁止したと記事で読みました。
テレワークを上手く活用するためには、上で書いたような「仕事や役割にフォーカスして評価をする仕組み」にシフトしていく事が求められます。
ちなみに、私がどちらをオススメしているかは文脈から理解してもらったと思いますが、断然「役割等級制度」です。

 

5.テレワークの浸透により、世の中がどう変わっていくのか

さて、ここからは個人的な妄想爆発「近未来の日本について」を書いていきます。
ビジネスチャンスは未来を予測することから始まると誰かが言っていた気がします!

働き方について

最初の方で、テレワークを進めるには業務によって切り分けていく必要があるとお伝えしました。テレワークが浸透したころには、モジュール化された仕事を社員が担っていることと思います
そして、企業側はそれを評価する必要があるので、モジュール単位(成果)を評価する方向にシフトしていくことになることでしょう。

でもちょっと待って?
仕事がモジュール化されていて、その単位を評価するのならわざわざ社員を雇う必要ってある?
質の高いフリーランスを一時的な労働力として活用すればいいじゃん、不況に対する弾力性にもなるし…
といった感情が生まれてくるのが自然な流れではないでしょうか。

そう、終身雇用がいよいよ終わりを迎え、フリーランス・個人が活躍しやすい時代の到来です!(今より多少)
昨年の経団連中西会長の発言より、年功序列の仕組みを支えてきた職能給の崩壊は免れないだろうなと感じていました。しかし、それよりも先にコロナウイルスが社会に変革を促すことになりそうです。

補足
全てがテレワークになる事は無く、出社してこなければいけない社員は存在します(特にマネジメント層)

フリーランスが活躍しやすい時代、つまり仕事がモジュール化されている状態となれば、仕事の配分が最適化されていくことが予想されます。
力のあるフリーランスはより魅力的な仕事を選べるようになり、経営力の弱い企業は質の高い労働力を得ることに苦労することになります。

 

しかしながら、人の世はそうやすやすと変化を受け入れません。
そして人事大好き、仲間と楽しいことをするのが大好きな僕からすると、そんなドライな世の中にガラリと変わるなんてことにはならないと思っています。

GoogleやApple、日本で言えばメルカリやLINEといった先端企業がテレワークを推奨していないというのも、「そうじゃないでしょ」と言っているような気がします(中で働いたことがあるわけではないので詳しくは知りませんが…)。

というわけで、
短期的には職務給のような成果主義に傾くことで、フリーランスや個人が活躍しやすい時代
中期的には「いや、そうじゃないでしょ、一緒に働く仲間だからこそ」という価値が見直されて
長期的には
ARが短中期的課題をすべて解決するかも…(?)
かなと思います。

 

日常について

セミナーのほとんどが中止になる昨今、ネットによる配信(会議ツールの使用)などによって、普段なら受講できないような遠隔地で開催されるセミナーを受けることができるようになりました。テレワークの普及により、通勤するという時間的・費用的コストも一定程度削減されました。
こういった現象により、移動に対するコスト感は、より重たいものになってきています。
しかしながらそこはやっぱり人間、人と直接会うという価値はちゃんと残ると思います。

実際に会ってコミュニケーションを取るということの価値は相対的に高くなって、その繋がりを保つための新しいサービスや場所が生まれてくるものだと予想します。

 

chance

 

業務の効率化や移動時間が短縮されることによって、余暇時間が増えるという事はよく言われています。
その余暇時間を皆さんはどのように使われるのでしょうか?
フリーランスとして活躍するための自分磨き?
人と直接会うことの価値を重視した新たなコンテンツ?
コミュニティ活動?
こういったところにビジネスチャンスが潜んでいるんでしょうね!

 

 

社会について

ICT

 

ある程度はリモートワークが浸透していくとして、それに伴う業務プロセスの改善、ICT技術の活用は、その後に起こる大きな変化を受け入れるための土台として申し分ないと思います。いま、この変化の波に乗れない経営は、仕事の最適化でより淘汰されやすい環境になっていく可能性は高いと思います。経営の力がとても求められる時代になっていくかなと思います。

反面、制約を乗り越えようとする力が人間を進歩させてきたと考えると、アフターコロナの世界ではパラダイムシフトを起こすような破壊的なイノベーションが生まれているかもしれません。

これまで日本は失われた30年と言われる年月を過ごしてきました。
技術的には可能であったにも関わらず、なかなか変化を受け入れることができなかった組織も多かったと思います。世界の変化についていけず、生産性が低いだの色々なことが言われています。
それが今回のコロナショックによって、強制的に変化せざるを得ない状況に追い込まれました。
経済のことだけを中長期的な視点で考えた場合、コロナショックによって変化せざるを得ない状況に追い込まれたのは、ポジティブな面もあるんじゃないかと思っています。

まずは自身ふくめ、世界中がこの状況を乗り切ることを切に願っています。

そして克服した先には、新しい働き方、新しいサービスの台頭によって、新陳代謝や流動化が進み、元気な日本に変わっていく姿を期待しています。
私自身もアフターコロナの元気な日本を見据えて、できる事を日々重ねていこうと思っています。

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