中小企業診断士試験 ~受験動機や勉強時間、難易度について~

皆さまはじめまして!
当ブログでは、イケイケの経営者さま、そして、どんどん会社を成長させていきたいけどリソース(特に人とお金)が不足している、と感じておられる経営者の方々に向けて、お役立ち情報を発信していこうと思っています。
今回のコラムは私にとって初めての記事になりますので、著者周辺情報として「中小企業診断士とはこういった試験を通過してきた人なんです」という事をお伝えしていきたいと思います。
中小企業診断士試験の受験生の方々にとっても、試験対策として見て貰えるような内容になっています。
むしろ試験対策コラムになってしまいました・・・
(診断士合格は2018年12月、登録が2019年10月と新米です)

それでは、お付き合いのほどよろしくお願いいたします!

 

勉強

 

 

1.中小企業診断士取得を目指した動機

企業内にお勤めの方でも、管理職などチームメンバーを抱える地位に就いた場合、「これは経営者の目線で判断をしなければならないな」と感じる事があるかと思います。
私の場合は、採用や人事を担当したことがそれにあたりました。

 

考える

経営環境が目まぐるしく変化していく昨今、近い未来ですら予測することが困難です。

こんな環境の中、最適解に近づくための努力が出来る人ってどんな人なんだろう?また、どうやってそんな人を育てていけばいいのだろう?と何度も自問しました。

不確実性の高い未来に対して備えるための仕事だと考えると、会社や一緒に働く仲間の未来に対して、とてつもなく大きな影響を及ぼすことになると強く感じました。これはちゃんと勉強する必要があるな、と思ったことが1つ目の動機になりました。

だから、社内でのキャリアアップのためだとか、コンサルタントとして活躍するため、という動機ではありませんでした。『絶対に診断士をとるんだ!』といった意気込みもありませんでしたし、取得後にコンサルタントとして活躍しようなどとも考えていませんでした。
私はコンサルタントという存在を疎ましく思っていました。

 

2.診断士試験の概要

中小企業診断士の試験は1次試験、2次試験、口述試験と3段階の試験になります。3つ全てに合格して晴れて合格です。
1次試験はマークシートで7科目、2次試験は筆記試験で4科目、口述試験は約10分間の面談形式となります。合格するには1,000時間ほどの勉強時間を要すると言われています。
時間内訳はおおよそ1次試験750時間、2次試験250時間、口述試験数時間程度、といった具合になります。

これから、試験別の特徴や難易度について簡単に記述していきます。

一次試験 (マークシート 7科目)

科目試験時間二次試験との関連度
経済学・経済政策60分
財務・会計60分
企業経営理論90分
運営管理90分
経営法務60分
経営情報システム60分
中小企業経営・中小企業政策90分

1次試験は全てマークシートでの試験となり、2日間に渡って行われます。
1日目が経済学、財務会計、企業経営理論、運営管理の4科目。
2日目が経営法務、経営情報システム、中小企業経営・政策となります。

全科目100点満点で6割とれれば合格となるので、7科目420点で合格となります(40点未満は足切りあり)。毎年だいたい20%くらいの合格率です。科目合格制度というものもあり、合格した科目は2年間権利を持ち越すことができます。

勉強を開始する以前は試験範囲の広さ、また馴染みのない分野も多いことから、恐れおののいていましたが学校に通い出すとあまり苦にはなりませんでした。

 

中小企業診断士の勉強は楽しい!
1次試験は暗記色が濃いとはいえ、経営に関する知識を体系的に学ぶ事ができるので日々の授業が楽しいです。また学校に真面目に通っていれば、無理のないスケジュールで試験に向かうことができます。

 

2次試験(筆記)

 

科目試験時間関連する1次科目
事例Ⅰ(組織・人事)80分企業経営理論
事例Ⅱ(マーケティング・流通)80分企業経営理論・運営管理
事例Ⅲ(生産・技術)80分運営管理
事例Ⅳ(財務・会計)80分財務・会計

 

 

2次試験は、紙上でコンサルをしていくイメージです。各事例ごとに会社が一つ用意され、その会社の経営環境や成り立ちなど企業情報が3~4ページほど与えられ(与件文)ます。事例Ⅰなら組織や人事の面から課題解決や進むべき道について、4つか5つの設問に回答していきます。
求められる能力は、情報を整理する力、与えられた情報から答えを導き出す力かなと思います。理論的思考力(ロジカルシンキング)というやつです。
80分という試験時間がめちゃくちゃ短く感じる試験です…!

はっきり言って2次試験の難易度は1次試験とは比べ物になりません
理由は後述しますね。

 

口述試験

口述試験は、二次試験の事例問題から出題されます。試験の問題とは別の切り口で『仮にこうだった場合A社のとるべき道は?』といった質問が用意されています。試験時間はだいたい10分くらいで、上手く答えられれば4題で終わります。合格率は99%~100%の試験ですが、万が一というのは怖いですよね。

ちなみに僕は二次試験の再現答案も作らなかったし答え合わせもしなかったので、口述対策を通して初めて事例Ⅰ~Ⅳの内容をしっかりと理解しました。

2018年は、試験自体を休んだ人以外は全員合格したと聞いています。しかし、過去には緊張しすぎて支離滅裂な回答を続けてしまったために落ちた方もいたと聞きます。
本番で焦らないためにも、必ずしっかりと対策しましょう。

 

3.勉強方法

今は企業による自己啓発への関心の高まりもあり、メジャーな資格を勉強する場所は無数に存在します。一般的にはあまり知名度の高くない中小企業診断士も、ビジネスマンには一時期大変な人気を誇った時期があったことから(?)沢山の選択肢があります。
ということで、下にその選択肢を列挙していきます。

 

試験対策としての選択肢

 1.資格予備校への通学
 2.通信講座
 3.独学
 4.合格者達によるボランティア支援機関

 

ざっとこれらが試験対策として活用できるものになるかと思います。
僕は、独学で勉強できる気がしない&大手なら安心だろうという雑な考えから、最大手予備校であるTACへの通学を選択しました。

それぞれの特徴やメリット・デメリットについて簡単にまとめたので貼り付けておきます。

 

 

一番メジャーな選択肢は資格予備校に通うことです。僕の場合は、独学で勉強を続けられる気がしないと思っていたため通学を選択しました。結果的にはこれが正解でした。

成功だったと感じている1番の理由は勉強仲間ができたことにより、周囲の仲間から非常にいい影響を貰ったことです。

学校に通ううちに仲間が沢山でき、しかも皆さんとても優秀で人間的にも魅力的な方ばかりでした。仲間が一生懸命勉強している姿に影響(プレッシャー)を受けたおかげで合格する事ができたと本気で思っています。合格後も関係は続いていて、僕の財産のうちの一つになっています。

2つめの理由は、勉強のペースをコントロールしてくれる事です。受験のプロ達が作ったカリキュラムは素晴らしく、いまでも感謝の気持ちでいっぱいです。1次試験においては、『この教材だけやっておけば絶対合格できるじゃん』と思えるような質の高いテキストや問題集ばかりでした。
ただし費用は普通の1年コースで30万円前後と高額になります。

 

逆に、試験までの勉強スケジュールを自分で立てるのに慣れている、勉強仲間なんか別にいなくても、という方であれば市販の教材で独学を選択した方がお得です。
教材代などトータルで3万円~5万円程度で済みます(試験直前になるとネットで買える教材の値段が跳ね上がるので注意してください)。YouTunbeに試験対策動画もあがっていたりするので、見てみるのも手だと思います。

 

通学と独学の間になるようなものが通信講座になります。試験までの道筋が用意されていて、勉強自体は動画と教材で勉強していくことになります。通学をメインにしている資格予備校でも、通信講座やDVD学習というコースも用意されています。
通勤や客先へ赴く際など、電車での移動時間を使えるのは非常にありがたいです。

 

通勤時間に勉強

 

表の最後にご紹介したボランティア団体ですが、この2団体は前年の合格者達が運営を行っています。合格したばかりの人たちの話が聞けるのもありがたいですし、独学の方は勉強仲間が作れたりというメリットもありますね。
合格後は運営側にまわることで、メンバーとの強い絆を築くことができるそうです。

 

合格までにやったこと

 

1.1次試験

先にもお伝えした通り、僕は通学コースを利用しました。1次試験は完全に予備校の用意したスケジュール、カリキュラムに沿って勉強を進めていきました。

予習は一切行わず、復習にだけ時間を割いていました。月曜夜と木曜夜が授業だったので、授業後の2日間で勉強したところをまとめて、移動時間にまとめたものを勉強するといった感じのスケジュールでした。TACには『トレーニング』という素晴らしい教材があったので、日曜日に時間が作れた日には、トレーニングを解いて理解を深めていました。予習に時間を使わなかったのは、馴染みのない科目を理解するのには時間がかかってしまい非効率だと考えたからです。

7科目目の講義が終わるころには、最初の方に受けた科目の内容は結構な勢いで忘れています。

しかしながら、『全てを思い出してまた詰め込む』という時間は残されていないので、ここまでサボってきていた科目があったとすると、なかなか挽回ができません。

最終講義終了後の約2か月間は、過去問のAランク(正答率80%以上)からCランク(正答率40%~60%)をひたすら解いて、DランクとEランクの問題は完全に捨てました

DランクEランクの問題は、過去に出題例のない問題などが該当しますが、そういった問題は毎年一定数出題されます。しかしこの試験は6割を取れれば受かる試験です。次の年はまた過去に出題例のないDランクEランクの問題が出るので、ここを覚えても意味がないと割り切りました。
試験範囲も膨大なので、時間効率を考えることも大事なのかなと思います。
結果的に461点で合格しましたが、A~Bランクの問題は、全て正解していました

 

2.二次試験

ストレート合格を目指す人にとって、1次試験終了から2次試験までの期間はたったの2か月しかありません。1次試験の合格発表を待つことなく、すぐさま2次試験の勉強に取り組めなければ時間が足りなくなります。

1次試験の勉強中に少しでも余裕を見つけて、2次試験の概要や事例Ⅳだけでも確認しておきましょう(知っておくだけでもかなり違います)。僕はぼんやりしていて、2次試験の対策は全くやってこなかったので、1次試験終了後に1週間ほどかけて情報収集を行うハメになりました・・・。

2次試験に関しては、予備校のカリキュラムだけでなく、2次試験対策の必須本になりつつある『ふぞろいな合格答案』を活用しました。回答を導き出すプロセスは『TAC方式』、回答の記載方法については『ふぞろい方式』といった具合に利用しました。

前述しましたが、合格に求められる能力は情報を整理する能力与えられた情報から答えを導き出す力だと思います。
過去に沢山の本を読んでこられた方や、普段から様々な課題解決に懸命に取り組んでこられた方には備わっているのでしょうね。

ちょっと胡散臭くなるかもしれませんが・・・。
二次試験に関して『開眼する』という単語を目にしたことがありますか?
あることがきっかけで突然目の前が開けたような感覚になるという様な話があります。
『ああ!こうやって読んでいけばいいのか!』とか『この手順を踏めば情報が整理できるぞ!』といったなんとも曖昧で感覚的なものですが・・・。
きっかけは本当に人それぞれですが、僕は試験前2週間くらいの時にそんな感覚を味わいました。
そのおかげで合格できたのかどうかは定かではありません笑

二次試験は本当によくできた試験です。
読めば読むほど「よくこんな試験が作れるな」と感心してしまいます。無駄な与件は無いです。

TACの回答の導き出し方をしっかり読んで、ふぞろいで回答の作り方を学ぶ

僕はこれで合格できたと思っています。

 

4.勉強時間、難易度

勉強時間

合格までの必要勉強時間は1,000時間程度と言われています。
ただし、これは合格した人が1,000時間くらい勉強したというだけの話で、当たり前ですが1,000時間勉強したからと言って誰もが合格できる訳ではありません。

中には500時間程度の勉強で合格したといった方もみえますし、1年間で1,500時間勉強したけど落ちたという方もいます。
僕は1次試験の勉強に約600時間、2次試験の勉強には200時間ほど費やしました。
財務や情報、法務などこれまでの業務経験で持っている知識量によって、合格までの勉強時間は変わるかなと思います。

よく言われますが、財務会計だけは毎日10分だけでも絶対にやった方がいいです。これは間違いないです。
経理をやっていた僕が断言します。

 

難易度

毎年約20,000人くらいの人が受験し、最終的な合格者は800~900人程度になる試験です。

・1次試験合格者が約20%

・2次試験では更にそこから20%に絞り込まれて800人前後の合格者になります

合格率はザックリと4~5%前後になりますね。
※2次試験は、前年の1次合格者も入ってくるので、その年の1次試験合格者から20%が二次試験に合格できる訳ではありません。

1次試験は、勉強時間さえしっかりと確保すれば合格できる試験です。各科目60点が取れれば確実に合格できるので、その年の難易度によっては合格率が30%くらいまであがることもあります。逆に下がる事もありますが•••。

しかし、2次試験はそうではありません。上述した通り、試験通過の難易度が跳ね上がります。500~1,000くらいの時間をちゃんと勉強に割いて、1次試験を突破してきた人の中から上位2割しか受からない試験です。

私の勉強仲間は1次試験突破率が85%くらいでしたが、その中からの2次試験合格者は16%にまで落ちてしまいました。1次試験は6割さえ取れれば合格できますが、2次試験はその中から上位20%が合格するといわれているように相対評価になるので難しいです。

おまけに回答が公表されないので、自分が何を間違えたのかは推測しかできません。

 

5.合格して何かが変わったか

 

中小企業診断士は、合格直後は『おー!おめでとー!』と幸せ気分を味わえますが、そのすぐ後に『じゃ、頑張ってね!』と放り出される感じになります(笑)
えっ、何を頑張ればいいの!?となる方も多いのではないかと思います。他の士業と異なり独占業務がほぼないということもあって、全く道開けてないじゃん・・・という状態になりました。

つまり、自分から行動を起こさなければ何も変わりません

合格してすぐに変化を実感できる事として挙げるなら、自身の内面的なものかなあと思います。
1次試験では、全く知らない分野の科目も沢山あり、経営に必要な知識がインプットされたという実感は強いです。2次試験では、理論的思考力(状況を分析して優先課題を抽出すること、最適解に近づくための手段の模索など)が鍛えられました。
理論的思考力が鍛えられたおかげで、会議でのファシリテート能力であったり、コンセンサスを構築するスキルは向上したと感じています。

 

しかし、合格すれば中小企業診断士というスタートラインに立てます!

 

team診断士の勉強では、経営に必要な知識全般を広く浅く学べます。しかしながら、その知識が売れるレベルのものかというとそうではないと思います。
ネットで調べればタダで知る事のできる知識ばかりです。お客さんにお金を払ってでもお願いしたいと思ってもらえるとしたら、診断士×専門性というレベルの知識が必要になるかと思います。さらに言えば、知識を提示して終わりではなく、客先でそれを実現させるところまで持っていく力です。だから診断士はそれぞれの専門性を活かしながら、チームで動くことが多いのだと思います。

 

そこでの学びは中小企業診断士の勉強よりもはるかに大きいと感じています。

 

6.取得後1年目は何をすればいいのか

 

上で述べた通り中小企業診断士はチームで動くことも多く、そこでの学びはとても大きいです。

だから、どこかの研究会やコミュニティに所属する事をおすすめします
横の繋がりが非常に強い業界です。自分から勉強させて下さいと顔を出せば、喜んで受け入れてくれる先輩方がほとんどです。駆け出しにチャンスをくれる先輩は大勢いますし、まずはお手伝いなどをさせてもらうといいかもしれません。

僕は合格後に沢山の先輩と知り合う機会を頂き、気の合うコミュニティを見つけてそこで活動しています。人脈を作るということは全く考えていませんでした。ただ、何をすれば診断士というものが見えてくるんだろう?と悩んで行動した結果こうなっていました。

自分の思うことをやっていれば、結局は気の合う人たちと一緒にいる事になるということですね。

中にはすぐに独立した仲間もいますし、独立準備をしている方もいます。

 

このブログでは物流業界に関する勉強メモや展望予測などを書いていく予定です。
初の記事ということで著者の特徴について書くつもりが、診断士とはみたいな事を書いているうちに、診断士の勉強をしている・始めようかと思っている方向けの記事になってしまいました(笑)

今後はおそらく診断士試験についての記事を書くことはありませんが、何か聞きたいことがあればお気軽にメールしてください!

 

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