第2期中小企業デジタル化応援隊事業について

中小企業デジタル化応援隊事業、第2期目が2021年4月26日からスタートしました。
今年の2月まで実施されていた第1期目は、事業開始当初こそ出足が鈍かったものの、終盤には使い勝手・利便性に気付いた企業の皆さまからの応募で溢れかえっていました
中小企業におけるIT人材の不足(社内で実現してくれる人材の不足)は、いつも強く感じていたところではあったものの、応援隊事業がここまで活況になるとは予想していませんでした。
対コロナ施策で国の実施する救済措置などに、皆さんが敏感になったことも要因だったんじゃないかと思います。
恐らく第2期の応援隊事業も、専門家が不足することになるんじゃないかと思いますので、利用を検討されている皆さまに向けて準備をお手伝いできればと分かりやすく概要を書いていきたいと思います。

 

1.デジタル化応援隊事業の目的

 

国を挙げてバックアップするので、専門家を入れてどんどんIT化・デジタル化を進めてください!
というのがこの事業の目的になります。
ここでいう専門家というのは、経営コンサル、フリーランス、会社員をしながら副業として登録しているIT人材、といったように様々です。
この専門家を活用した費用に対して、国が1時間あたり3,500円を補助してくれるので、格安で自社の望む通りのデジタル化を進めるための支援を受けることができます。
「デジタル化はした方がいいと思うけど、どんなところから手をつけて良いのか分からない」という方も、「こんなことがしたいんだけど・・・」というざっくりとした目的があれば大丈夫。

デジタル化応援隊事業には沢山の専門家が登録しているので、きっと自社にあった専門家を見つけることができるはずです!

※デジタル化応援隊事業公式ホームページより

 

2.事業の概要

 

現代の企業はどんな分野においてもデジタル化は不可欠
デジタル化応援隊事業では、デジタル化に向けた企業の課題と専門家をマッチングして、なおかつ専門家費用を国が補助してくれるという仕組みです。
中小企業基盤整備機構(中小企業庁)が実施する事業になります。

 

 

図のように、応援隊事業がマッチングプラットフォームの役目を担います。
中小企業と専門家が沢山登録しているので、お互いの願いをかなえてくれそうなお相手をWEB上で探します。
合意したら、プラットフォーム上で契約を交わし、支援のスタートです。
支援の完了ステップごとに専門家が実績報告を行い、デジタル化応援隊事業からは謝金の補助分の支払いが行われ、同時に依頼主の中小企業には、「専門家に〇〇〇円を〇月〇日までに支払ってください」という通知が届きます。
ざっくりと流れを書くと、こんな具合に進んでいくことになります。

IT化を進めるにあたって、自社にとって理想的な専門家を探すことがとても大事になります。
このプラットフォームは検索機能も充実していて、専門家の指定する地域や時間単価、期間だけでなく、専門家が得意とする領域や業種からも検索することができます。

※こちらは、専門家の画面になってしまいますが、検索画面になります。

 

こちらの基本情報では、都道府県や時間単価、希望期間、支援計画提案期間から専門家を探すことができるようになっています。

 

基本情報横の【領域タグ】をクリックすると、導入したいITの領域から専門家を検索できるようになっています。
もう一つ、【業種タグ】がありますが、農業、化学工業、輸送用機械器具製造業など、専門家が得意とする業種から絞って検索することも可能となっています。

 

1)募集期間

 

2021年4月26日 ~ 2021年12月17日(実施報告期限)

募集期間には、ちょっと注意が必要です。
この12月17日というのは、専門家が支援完了後に行う実施報告提出期限のことを言っていて、他にもいくつかの期限が設けられています。
順番に記載していくと

  • 中小企業、IT専門家の中小企業デジタル化応援隊事業への登録期限

2021年9月30日まで
9月30日までに応援隊事業に会社を登録しておかないと、第二期デジタル化応援隊事業は利用できません。

  • IT専門家と中小企業による支援計画の契約締結の期限

2021年11月30日まで
ここまでに専門家との間で契約締結が終わっていないと、活用できません。
もっとも、12月以降に契約締結して、17日までに支援計画の内容を全て完了するという事はまず難しいと思うので、報告期限の2週間強前には合意して下さいねという意味だと思います。

という訳で、この制度を活用したい企業は9月30日までに登録すればいいのですが、冒頭にもお伝えした通り、第一期の終盤は、企業のニーズに対して大幅に専門家が不足しているような状況だったので、活用を希望される方はなるべく早く事業者の登録と
相談案件の登録を済ませてしまった方がいいかなと思います。

 

2)補助率

 

支援をしてくれた専門家に対して、最大3,500円/時間(税込)の謝金が応援隊事業から補助されます。
ちょっと分かりにくいですが、専門家が時間単価4,000円で設定していた場合、補助金で3,500円が支払われるため、活用した事業者の負担は500円/時間となります。

50時間の支援をお願いした場合
自社の負担
50(時間)×500円=25,000円(税込み)
事務局の負担
50(時間)×3,500円=175,000円(税込み)

専門家に支払われる謝礼
25,000円 + 175,000 = 200,000円
専門家には200,000円の謝礼が支払われるのに対して、会社が負担する金額は25,000円とかなりリーズナブルになります。

これがデジタル化応援隊事業が大人気になった理由です。

※多くの専門家は時間単価を4,000円に設定していました

ここ1年、コロナ対策は感染症対策だけでなく、景気策についても多くのものが実施されてきました。
その影響もあってか、事業再構築補助金やものづくり補助金など、各種補助金が急速にメジャーなものになりました。(初めての中小企業診断士不足?

しかしながら、これらの施策を利用するには厳格な要件があり、それに沿う形で申請し、実施(実地調査もアリ)、報告する必要があることから、誰もが簡単に受給できるものではありません。
一方で、このデジタル化応援隊事業は活用の敷居が低く、かつ、自社の希望通り自由に事業を実施することができます。

こんなに使い勝手が良く、効果的な補助金は他には無いと思います。

 

3)対象となる事業者

 

名称にもある通り【中小企業デジタル化応援隊事業】ということで、対象事業者は中小企業となります。
中小企業の定義は以下の通りです。

業種(大分類)業種(小分類)常時使用する労働者数資本金または出資の総額
小売業小売業、飲食店、持ち帰り配達飲食サービス業など50人以下5,000万円以下
サービス業医療・福祉、宿泊業、娯楽業、教育・学習支援業、情報サービス業、物品賃貸業、学術研究・専門・技術サービス業など100人以下5,000万円以下
卸売業卸売業100人以下1億円以下
その他業種製造業、建設業、運輸業、農業、林業、漁業、金融業、保険業など300人以下3億円以下

 

デジタル化応援隊事業の公式ホームページに行けば、詳しい記載があります。
日本企業のうち99.7%が中小企業なので、ほとんどの事業者が対象にななります。

 

4)対象となる相談内容

 

  • ECサイト構築支援
  • キャッシュレス決裁導入支援
  • テレワーク導入支援
  • 電子契約導入支援
  • クラウド会計導入支援
  • RPA導入支援
  • SaaS各種ソフトウェア導入支援
  • グループウェア導入支援
  • ホームページ構築支援
  • セキュリティ強化等に関するデジタル化課題の分析・把握・検討
  • ネットバンクの導入支援

 

などなど、非常に幅広いIT化・デジタル化についての支援を受けられます。
ここに記載してある項目は、どれも目にしたことがあるものではないでしょうか?
ただ、便利になるツールなんだろうという事は分かっても、会社に導入するとなるとどうやったらいいのか分からないという会社さんも多いのではないかと思います。

こんな時に二人三脚でやってくれる専門家がいると、心強いですよね!
ちなみに私の専門は、クラウド会計や関連クラウドツール(SaaS)の導入とその最新ツールに合わせた業務フローの構築などです。
普段は会社内で実際に導入などを手掛けているので、担当者の苦悩や現場の苦労も理解しているつもりです。
もし興味を持って頂けたら下のリンクから見てみてください。

 

 

ツールの導入はあくまでも手段であって、目的では無いということは皆さんも承知の通りですが、
短期目標としてはツールの導入が設定されることになります。
だからなのか、途中で本来の目的を見失ってツールを導入することが目的に置き換わってしまうことも、現場ではしばしば起こります。

最新のツールを入れるなら、仕事が楽にならないと意味がないですよね!
なんのために導入するのか、これが一番大事なことので、もしそこから外れるようであればツールの導入では無く、他の方法を模索することも大事ですね。

個人的な見解ですが、IT化に取り組む目的って効率化して担当者達の時間を作ることにあると思います。
時間を作ることで社員の方々に、もっと経営的な部分に取り組んで貰うチャレンジングな仕事に挑んでもらう、というのが理想的なストーリーじゃないでしょうか。

※デジタル化応援隊事業公式ホームページより

 

5)登録に必要な書類

 

企業が登録するのには、書類がいくつか必要になります。

【法人企業の場合】

  • 担当者の顔写真

【法人格のない企業の場合】

  • 担当者の顔写真
  • 身分証明書(免許証 表/裏)
  • 納税証明書(納税額証明用と所得金額用)
  • 確定申告書Bの写し

この担当者の顔写真というのがすこし変わっていますよね。
これは、専門家が支援をちゃんと実施したことを証明するため、また不正受給を防止するために必要になります。
支援の実施報告は専門家が行いますが、その際にちゃんと支援をしていることを証明するために、支援先企業の担当者と一緒に写った画像を添付することになっています。

※オンラインミーティングを実施した際には、パソコンのスクリーンショットをとって報告したりします

必要書類さえそろえてしまえば登録は簡単にできますので、利用予定のある方は早速登録してみはいかがでしょうか。

 

 

3.事業の背景

 

応援隊事業と直接の関係は少ないですが、ここからは世の中で起こっていることや企業をとりまく環境について、支援する側の視点で少しお伝えしていきたいと思います。

 

1)副業人材の増加、IT人材の余暇時間の増加

 

いまは、企業がどんどん副業を認めていくような時代になってきています。
中小企業に不足しがちなIT人材を、副業によって埋めるということがデジタル化応援隊事業の狙いです。
クラウドワークスをはじめとした、クラウドソーシング業界が発展したことによってフリーランスや副業人材の活用が活性化されてきた昨今ですが、こういったマッチングを政府が行い、更に費用まで負担してくれるというのがこの事業です。

※補足
少し異なるのが、デジタル化応援隊事業で専門家が提供してくれるのは、支援であってサービスでは無い(明確な納品物が無い)というところです。
あくまで、手を動かすのは事業者側という事になります。
実際に手を動かさないと、企業内にノウハウは溜まらないし技術の向上も望めないですしね。

副業の解禁やクラウドソーシングの発達によって人材の最適化が行われることになってきたので日本の経済にとって、とても大きな効果をもたらしているんじゃないかと思っています。
人材側の視点では余暇時間を使ってお金を稼ぐ、企業側の視点では中小企業に不足しがちなIT専門家の充足。
もの凄くwinwinな仕組みですよね。
色々なシェアリングやMaaS(Mobility as a Service:自動車シェアによって移動というサービスを提供)の世界と同じように、人材の世界でもすごい勢いで最適化が進んでいるんですねー。

 

 

変化の波に乗れずに取り残されたら、多くの組織は衰退していきます。
次々と新しく生まれてくるサービスにワクワクしつつも、同時に怖いと感じずにはいられない世の中です。

 

 

2)コロナウイルス感染症拡大の影響

 

あらゆる企業において、感染症対策や働き方改革を避けられない時代になりました。
テレワークや取引の非対面化など、コロナ対応で有効な対策のほとんどがデジタル技術によるものです。
でも、テレワークって「じゃあ、明日からテレワークね」といって始められるものでもないですしお客さんとのやり取りや社員同士の非対面化も同様です。

テレワークを実施するためには、

  • 情報共有の手段が確立されている
  • ペーパーレス化が進んでいる
  • 基幹システム(会計など)を家からでも操作できる

こういった項目を全部クリアしていく必要があるので、簡単にできるものではありません。
準備には時間も専門的な知識も必要になります。

 

3)IT化の遅れ

 

コロナ下においては、テレワークの準備に必要な1年2年といった期間を待ってはくれません。
おまけに日本のIT化は、他の先進国と比較して大きく遅れています。
スイスの国際経営開発研究所(IMD)が発表した、デジタル競争力ランキング2020では
日本は63か国中27位にランキングされ、競争力のランキングでも34位にランキングされています。
世界で首位を走っていたかつての日本の姿は、もうどこにもありません。
私たちの生活自体は豊なので、世界に取り残されてこんなことになっているということには、
なかなか気付けないものです。
知らず知らずのうちに、ゆでガエルになっていたということでしょうか。

 

 

ただ、私は「ピンチはチャンス」という言葉が大好きです。

IT化・デジタル化に取り組まざるを得ない今だからこそ、政府もこれを機会ととらえて一気に日本のIT化に舵をきってやろうといったところだと思います。
最近は政府系のソフトウェア(e-GovやeLTAX)の使い勝手も急によくなってきています。

担当者の方も少しだけ手を伸ばせば、すぐそこに便利なツールが沢山存在している世の中になりました。
IT人材の最適化、企業内にノウハウを蓄積させようとするデジタル化応援隊事業の内容からも
政府の本気度がうかがえます。

ぜひこの機会に、デジタル化応援隊事業を活用して一気にIT化を進めていきましょう!
これは乗り遅れたら損です!

ちなみに、また宣伝ですが下のリンクは私のサービスです。
もちろんデジタル化応援隊事業の対象事業となりますので、興味を持って頂いたらお気軽にお声がけください。

 

 

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